【書評】『SAS戦闘員 最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録』
SAS戦闘員 最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録(著:アンディ・マクナブ、訳:伏見 威蕃)(早川書房)
○まえがき
自分が中学生くらいのときに文庫本の上巻(のみ)を本屋さんで見つけて買ってみたのが最初の出会いです。
その後、下巻が全く手に入らなかったので、10年以上後に最初に出た単行本版を購入しました。
SASは世界最古にして最強の特殊部隊とされ、極めて厳しい入隊試験とその後の訓練で極めて高い練度を誇る部隊です。
◎この作品について
原著・原題は『IMMEDIATE ACTION』(差し迫った、緊急の戦闘?)で、英国(イギリス)で出版されましたが、すぐに英国では発禁命令が出されたそうです(『国家安全保障上の利益のため』とされています)。
それだけ具体的に英国陸軍や英国特殊部隊SASについて、非常に詳細に書かれています。軍事小説を書きたい方は、かなり参考になるのではないでしょうか。
凄すぎて参考にならない、というのもありますけれどね。正直な感想ですが。
全体的に、実経験に基づいて書かれているため、臨場感やリアルさが半端ないです。もちろん、ノンフィクションです。
自分は、この作品の凄さは文章を引用するとかしないと伝えられないような気がします。それくらい衝撃的でとんでもないです。
◎話の流れ
○最初に、写真
単行本版では全て、文庫本では上下に分かれて(下巻は持っていないので未確認)主にカラー写真が掲載されています。
作戦中の様子や、武器の写真などが掲載されています。これだけで臨場感が伝わってきます。
○若かりし頃のマクナブ
少年時代のマクナブさんが描写されています。舞台はロンドンのペカム(ペッカム?)なんでしょうか(入隊時の発言より)。
やはりとんでもなくリアルな描写で、まさしくその場にいるような気にさせられます。
貧困層の生まれで、窃盗やひったくりなどの犯罪行為はたくさんしたようです。
『時計仕掛けのオレンジ』という小説を思い出します。あれほど暴力的ではありませんが。
空き巣に入ったあとで警察に職務質問され、捕まったあとで自身の人生を見つめ直し、英国陸軍に入ることに決めたとのこと。
○英国陸軍入隊後
最初は陸軍航空隊に入ってヘリコプターの操縦士を目指したようですが、すぐに諭(さと)されて『ロイヤル・グリーン・ジャケッツ(陸軍軽歩兵師団の一部隊)』、要するに歩兵部隊に志願・入隊することになります。
SASに入隊するまでは、IRA(アイルランド共和軍、要するにテロリストです)の活動家(プレーヤー)とドンパチ(戦闘)をするさまなどが描かれます。
入隊時や訓練なども細かく描写されていますが、細かすぎて書き切れにないくらいなので、本編を読んでほしいです。
SASの入隊試験時の話も面白いです。楽に受かるためにテストの時に皆でカンニングをしたりして、教官もスルーしていたりとか。
数十キロの背嚢(はいのう、ベルゲン?)を背負っての数十キロメートルの行軍試験ではマクナブさんが本来持ち込んではいけない食料などをトイレに隠して、あとで回収して持っていこうとして確認しにいったら「なにもなかった」とか(笑)。
○SAS入隊後(文庫本版、下巻以降)
雑多ですが、SASの任務内容が描かれています。
けっこう細かいし、感想を書けと言われても困ります。
もう、そのまま読むしかないんじゃないのかな……。
つまらないわけではないのですが、内容がかなり専門的で軍事的に具体的すぎるので、別世界すぎていまいち掴みきれませんでした。
自衛隊や警察の方がいらっしゃたら、読んでみて納得がいくのかもしれません。
SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)
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